僕の趣味はマッチングアプリです。
マッチングアプリの登録数は3つほどで、それぞれ登録してから5年以上は経っていると思います。
その間マッチングした数は数十名。
今回はその中でも印象的だった女性を紹介します。
それは、真夏の夜だったと思います。
マッチングした女性を高級な料亭での食事に誘いました。
当時今ほどマッチングした女性との初対面に慣れておらず、少し辿々しさがありつつも、その女性は優しくフォローしてくれていました。
話を聞くと彼女は20代後半のOLで、結婚を見据えてマッチングアプリを始めたとのこと。
まさに大人な雰囲気の女性でした。
食事をしながら楽しい会話をしばらく続けていました。
すると、ほのかに不快な臭いがどこからともなく臭ってきました。
僕は鼻が効く方で、昔から臭いには敏感で、将来の結婚相手はいい匂いがする女性だと周りに言っているぐらいでした。
そして、この微かな臭いに周りは誰も気づいていなさそうでした。
近くにトイレがあるからかな、と勝手に思いながらしばらくその臭いを嗅いでいると、話に集中していないのではないかと注意されました。
その場で軽く謝っておいて店を出ると、それでもやっぱりあのほのかな臭いがしていました。
その匂いを少し気にしながらも、その場はいい雰囲気になり、彼女はそのまま家に来ることになりました。
家に帰ると漏れそうだった僕はすぐにトイレに行きました。
すると、驚くべきことにトイレの中は無臭だったのです。
僕は鼻が効くから分かったのですが、あの臭い彼女の口臭でした。
トイレを出ると、彼女がシャワーを浴びていいか聞いてきました。
僕は快諾し、彼女はシャワーを浴びに行きました。
その間に僕は、余っている歯ブラシを見つけ出し、シャワーを浴び終えた彼女に勧めました。彼女は少し怪訝そうでしたが、潔癖症だから、と軽い嘘をついてその場を凌ぎ、僕もシャワーを浴びることにしました。
僕がシャワーを浴びている間に彼女は念入りに歯を磨いていたようです。
シャワーを浴び終えると彼女はさっき歯ブラシと一緒に渡したスウェットを着ていて少し興奮しました、その興奮を抑えつつ二人で楽しくお酒を楽しみ、徐々に雰囲気もよくなり、しばらくしたら軽い口づけをしました。
その時には一切臭いは気にならず、そのまま二人の時間を過ごしたのでした。
その日以来あのほのかな悪臭が忘れられず彼女に連絡をすることはありません。